数年前から病院では電子カルテが増えてきており、紙のカルテや手書きの看護記録の時代に比べてかなり便利になったように聞こえます。
で・す・が
実際のところ記録の量は減ることはなく、むしろ記録の業務時間は増えているように感じませんか?
今回は、現実的なこんな電子カルテがあったらいいのにな~を考えてみました。
その1:重複する内容の記録について
❶看護実施記録
❷看護経過記録(SOAPやフォースなど)
❸コストの入力
❹看護必要度
この上記の4つって、記録は違えど内容(患者さんの状態)は一緒ではないですか?
たとえば、
心電図モニターを装着している患者さんがいたとして、
❶看護実施記録 心電図モニターの装着項目に入力する
❷看護経過記録 SOAPでその日の波形について書く
❸コストの入力 心電図モニターを使用していた時間を入力してコストをとる
❹看護必要度 心電図モニターの管理項目に有りで入力する
なぜ同じことを何度も入力しなくてはならないのか、と思ってしまうのは私だけでしょうか、、、、
❶❷は病棟のスタッフ、❸は医事課、❹は管理者と各記録をそろぞれ別の部署が必要としていることは理解できます。ですが、なぜ私たち看護師が患者さんのベットサイドでの時間を削ってまで同じような内容の情報を何度も記録として残さなくてはならないのか。
そもそも電子カルテって重くて、ページを開くごとに割と時間がかかるんですよね。
(急いでいるときはとくに辛い。たまにめちゃめちゃ重たいページがあって、誤ってそのページをクリックしてしまうとしばらく待つ以外に方法はない。)
❶❷の記録をすると❸❹にデータが自動的にとぶ、とかになったらいいな。
つまり、この4種類の記録を1つの入力で済むようになったらいいのにな~
その2:患者さんの情報収集について
初めて受け持ちをする患者さんの情報収集って意外と時間がかかって大変ではないですか?
❝昨日入院してきた❞とかなら、昨日の情報と入院時の基礎情報だけで済みますが、❝入院してからの経過が長い❞、❝他病院、他病棟を含め入退院が多い❞とかなると、情報収集に時間はかかるし、見落としがないかも不安になります。
なので、日々の看護記録や医師の記録、既往歴、検査データなどからその患者さんのまとめページがあったらいいのにな~
その3:退院時サマリーについて
患者さんが退院されるときに、看護サマリーを書きますよね。経過が長いとあの小さい書式内に収めるのに本当に苦労しませんか。
日々の記録をもとに自動でサマリー書いてくれたらいいのにな~
もちろん最終確認は必要だと思いますが。
しかも未だに医療業界って患者さんの情報をFAXでやり取りしてますよね。メールではダメなのでしょうか。
最後に
決して記録が嫌いなわけではなくて、とても重要だと理解しています。ただ二度手間がとにかく嫌なんです。
今までに手書き記録とは別に3種類の電子カルテの使用経験がありますが、どれも上記の機能はなかったです。
うわさによれば、電子カルテも値段によって、かなり違うと聞くのですが実際のところどうなんでしょうか。私が経験した3つの電子カルテは多少の違いがありましたが、❝この電子カルテは最高!❞というものはなかったかな~と思います。
電子カルテを製作されている方に文句が言いたいわけではないです。ただ、次回作を作るときに参考にしていただけたら嬉しいです。もし、気分を害されたなら本当にごめんなさい。
記録の時間が減って、看護師が患者さんのベッドサイドにいる時間が増えたら、医療者側も患者側もどちらにもいい効果になるなと思っただけなんです。
看護師の皆さんは電子カルテについてどのように考えますか?
ある看護研究では❝電子カルテを使うと看護師個人のアセスメント能力が低下する❞なんていわれていますが本当にそうでしょうか。むしろ、全データをもとにAIが分析したほうが人間のアセスメントより良いなんて時代が来るかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからも看護師の業務が減らせるところは減らそう活動をしていきたいと思います。