個人の実力とやる気に左右される看護師のフリー業務について考える

 

こんにちは。今日は看護師のフリー業務について考えたいと思います。フリー業務といってもその業務の内容はそれぞれの病院や病棟によって異なりますが、共通する部分としては受け持ち患者さんを持たすにフォロー業務に回る人のことをフリー業務と呼んでいるかと思います。

 

フリー業務の主な内容

  • 清潔ケア
  • ナースコール対応
  • 検査の出し迎え
  • 手術の出し迎え
  • トイレ対応
  • 血糖測定
  • オムツ交換
  • 体位交換      などがあります。

 

大体の業務内容は決まっていても、その日によって業務はかなり異なってくるでしょう。

皆さんの職場にはフリー業務の看護師を配置していますか?また、フリー業務に対してどのような考えをお持ちですか?

 

私はフリー業務はなくしたほうがいいのではと、思っています。

 

例えば日勤で42人の患者さんを6人の看護師が7人づつ受け持ち一人の看護師がフリー業務となって回るよりも、看護師7人がそれぞれ受け持ちを6人づつもつ方が業務が回りやすいと思うからです。

なぜならその日のフリー業務担当者【以下フリー】の実力ややる気次第でかなり左右される場合や、結局患者さんの情報を共有しなければならなかったりするためです。

 

 

❶個人の実力とやる気について

残酷な話ですが看護師によって実力の差はかなりあります。その看護師の実力によっては委託できない業務もありますし、業務の速度やクオリティーも変わります。よって、同じフリー業務だとしてもその日の担当者次第では業務の回り具合が異なってしまうからです。

 

❷患者さんの情報共有について

例えば、受け持ち看護師がフリーに患者さんの車いすでのトイレ介助を依頼したとします。たかがトイレ介助だとしても、どの程度の介助でトイレができるかなど重要な情報はたくさん詰まっているからです。積極的に情報交換ができる場合はいいのですが、業務が立て込んでいたり、その看護師が重要な情報と認知できず情報共有ができそこなったときに問題は起こります。

 

❸後輩は先輩フリーに業務を委託しずらい

これ結構ありますよね。「新人のうちはフリーに委託せずに全部自分でやりなさい」とよく言われますが、いったいいつまでが新人なんだってはなしで、なんだかんだ若手看護師は先輩看護師には依頼しづらいものです。

 

上記で述べたように、フリー業務を作るくらいならそれぞれの受け持ち患者さんを減らして担当者が各々かかわった方が効率がいいと考えます。

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夜勤の場合はどうでしょう。

私が以前働いていた病棟は46人の患者さんを3人の看護師で受け持ちを分けて、一人がフリー業務となっていました。脳系の病棟だったためケア度が高く特別に4人夜勤が認められていました。

フリー業務は夜勤メンバーの中で一番若手が行うというのが暗黙の了解になっていて、表上は夜間の受け持ちは難しいため先輩看護師が行うという名目になっていました。

しかし実際はフリー看護師の業務は膨大で時間に追われつつ、若手の中では受け持ちよりもフリーの方が大変だと言われていました。現にたまにフリー業務を行わなければならなくなり、ややパニックに陥っている先輩を多々見てきました。(笑)

この時のフリーの業務の内容の一つとして体位&オムツ交換がありました。さすがに約30人の患者さんのオムツ交換を2~3時間ごとに一人で行うには無理があったので先輩も手伝ってくれましたが、されどオムツ交換でも私はフリー看護師に任せるのではなくそれそれの患者さんのいいタイミングがわかっている受け持ち看護師がやるべきだと考えます。オムツ交換の際はたいてい吸引もセットになります。もちろん後から報告してもいいのですが、担当看護師が行った方がよく観察もできますし、記録に残しやすいと考えるからです。

 

最後に

それぞれの病棟や職場によって、フリー業務の存在意義は異なると思います。この記事を通して私がお伝えしたかったのは、全国のフリー業務担当看護師をなくすべきだといってるのではなく、看護師も患者さんも快適に過ごせるように日々の業務を考え直そうということです。

看護師長さんはわかってるようで、ここまでの業務の詳細は理解いただけてないのが現状というのを経験をもってお伝えします。残念ですが。

患者さんがより安全、快適に医療を受けることができるように、また看護師も無駄な業務がなくないより質の高い看護が提供できるように考えていきたいと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。