オーストリアで出産してみた

 

息子が生まれて早くも4か月がたったのですが、出産時の出来事がまるで夢だったかのように思え、早くも詳細を忘れそうになっているので、忘れないうちにブログを書こうと思います。

第一子の出産だったのでオーストリアでの出産の経験しかありませんが、十年ほど前に病院で実習をしていたのでその経験を踏まえて日本と比較してみました。

日本の様子と大分違って面白いと思うので、暇つぶしにでも読んでいただけたら幸いです!

 

 

予定日より9日前の早朝4時頃にトイレに起きると、突然の破水。

一瞬、『あああああ、どうしよう  Σ(´Д`;)』と焦ったんですが、まずは落ち着いてトイレをすまし、夫を起こしました。

日本だったらここで一度出産する病院または産院に電話をするのが普通かと思いますが、オーストリアではその必要はなく、すぐに車で出産する病院へ向かいました。

 

夜間入口へ向かうと、2階の検査室へ行くように言われますが、コロナのため最初から夫の付き添いはできず、分娩台に上がりそろそろ生まれるとなったころに立ち合いが可能とのことでした。

 

NSTをしてもらいましたが、まだ陣痛来てないねー、子宮口もあいてないねーってことで、まだ時間がかかりそうですが破水しちゃってるのでとりあえず入院です。

 

4階の病室に連れて行ってもらい、2人部屋でした。朝方に来て申し訳なかったのですが同室の方はすでに出産され本日退院予定とのこと。陣痛の具合はたまに痛いような気がするような程度です。

 

お部屋はこんな感じで、広々しています。(部屋の入口から写真撮ってます)

右奥がトイレとシャワーです。その手前がロッカーです。

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手前におむつ交換台がありました。
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シャワー
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トイレ
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窓からの景色。

この建物は旧病院らしいです。
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朝ごはんは毎日これでした。

美味しくないけど、ここから何時間かかるかわかんないので、ジャムパンにして食べました。
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まだかまだかと待っているのに、あっという間にお昼です。

夫とLINEしたり、日本にいる母に連絡したり、、、、、、

お昼は一日の中でいちばん豪華なものが出てきます。f:id:Nsbinich:20220625235937j:image

 

16時ごろに抗生剤の点滴をしてもらったんですが、ルートめっちゃ絡んだままだけど!!と思って、自分で治すこともできましたが、おもしろかったのでそのまま写真撮っときました。笑
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全然陣痛が来ないんで助産師さんに「早く生まれるように歩いたほうがいいかな?」と、聞いてみたんですが「ん~歩くことは悪いことじゃないから、あなたがあるきたいなら全然歩いてもらってもいいよ!」みたいな感じで、なんか日本と全然違うじゃないか!!とビックリしました。早く生まれるように、歩いたり、バランスボールしたりとかするって聞いていたのに、、、、、

で、「明日になっても陣痛来なかったら、促進剤使うよ。」とのこと。

 

そしてあっという間に夕ご飯です。f:id:Nsbinich:20220625235901p:image

 

全然おなかすかないし、美味しくなさそうだし、変わらず陣痛来ないしで、どーしたもんかと思っていたら、助産師さんが「朝と同じ場所でNSTとるから行ってきてくれる?」と言われ、エレベーター乗って一人で4階の病室から2階の検査室へ。

検査室のインターフォンを押したあたりから急に

「え、、、痛いぞ。お腹?いや、腰がいたい、、、、」となりまして、向かい入れてくれた助産師さんも「え!!!!!大丈夫なの???とりあえずNSTしよ。」となり、この時点では子宮口5cmとのこと。

なんだか周期的に陣痛が来ている感はありましたが、自分ではよくわかりません。

 

助産師さん:「すぐに生まれるってわけではないと思うけど、また部屋に戻れる感じはしないしね。。。旦那さん呼んでいいよ」

NSTの検査を受けに行くのに、スマホを持っていったことを自分で褒めたくなりました。笑

 

朝5時に病院についてから、夫は1階のロビーでずっと待っていたので、この時点で12時間以上待っていました。(本当はロビーで待っている必要はなく、家で待機でよかったそうです。笑)

 

17:50 夫、入室です。

その時の私の様子。

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お腹ってよりも、とにかく腰が痛くて横たわれなくて、座ってるのがまだ楽でした。

 

で、結果からお伝えすると、、、、、

20:50 生まれました!

子宮口5センチからだいたい3時間で生まれたんです。ま、いわゆる安産ってやつだとは思うんですけど、もちろん痛かったし、壮絶でしたよ。

ただ、自分なりにお産が早く進んだと思われる要因が3つあって、

 

①激痛のなかの繰り返される体位変換

お産っていわゆるあの姿勢で「うーん!!!う、、うーーーん!!!」みたいに踏ん張ってるイメージだったんですけど、実際はこの3時間の間に、仰向け、四つん這い、右向き、左向きなど、何度体制を変えたことでしょう。日本でこのように出産された方はいらっしゃいますか?

あの激痛のなか体制を変えるんですよ?でも、体制を変えるごとに助産師さんが、しっかりと赤ちゃんの様子を見てくて、「この姿勢は赤ちゃんが好きじゃないみたいだから、次は四つん這いなってみよう!」などと、次々に指示くれます。

 

②笑気ガス

手術のときに麻酔の導入材として使われたりしていますが、これをお産中痛い波が来てる時に吸う事ができます。で、これを吸うと頭がボーっとしてきて、痛みをかなり和らげてくれます。そして、痛い波が去った時に踏ん張ったり、体位変換したりしました。

日本ではお産中に笑気ガスを使うことはできないっぽいんですが、オーストリア以外の国でもやってるとこはあるみたいなので、おすすめです。

他にも静注、スパイナル、硬膜外とどの麻酔も希望すればやってもらえます。しかも無料で!!!!!(厳密には日本の健康保険証のあたるオーストリアのeカードを持っていると、お産は全額負担してもらえるので、一銭も払いませんでした。たしかに税金はがっつりとられるけど、ここオーストリアのいいところです。)

私も痛みに弱い方?幸いなことに今まで大病したことがなかったので、無料なら無痛分娩にしたいと思っていたんですが、担当の助産師さんに「お産の展開早そうだから、使わない方がよさそうよ。静注はしてもいいけど、気分が悪くなるから横になってもらわないとならないよ?」と、アドバイスをいただき、腰が痛すぎて座位しか取れなかった私はもう躊躇せずに使わないことを選び、笑気麻酔だけとなりました。

 

③夫の部活のコーチのような激励

いいぞー!その調子だー!!!って言ってもらえると、単純なんで頑張れました。笑

先程の写真をみていただくとわかるんですけど、分娩台に手すりがなくて、どーしたらいいかわからず、ベッドのマットレスを握ってました。夫は自分の手を握りながら産んでくれるのかと期待していたそうなんですが、人の手ってなんだか不安体でマットレスの方を選んでしまいました。。。。オットゴメンネ

 

赤ちゃんは頭が少し大きめだったのと、臍の緒が首に巻きついてたので、最後少し時間がかかったとのことでした。

実は私が生まれるときも臍の緒を首に巻いたそうです。そんなとこまで似るの??

 

赤ちゃんは生まれた瞬間にオシッコしたらしく、助産師さんが笑っていたそうです🤣

はじめて赤ちゃんを胸の上に乗せてもらったときの感動と感触は今でもとてもよく覚えています。無事に生まれてきてくれて本当にありがとう。

 

その後は、数回いきんだら胎盤がでてきました。胎盤にとっても興味があって、ずっと見てみたいと思っていたので、助産師さんに見せてもらいました。お産直後に胎盤見たいでーす!って言ってる余裕あってちょっと笑えます。

まぁなかなかグロテスクではありますが、看護師なんでその変は全然大丈夫で、とっても勉強になりました!

 

分娩台からベットへ移る際も、スタスタっと動いたので、助産師さんもびっくりされていました。

助産師:「そんなに動けるの?ストロングウーマンね!!!お産も泣き叫んだりすることなく、取り乱しもしないでよく頑張った!素晴らしい!!!!!」

なんて言っていただき嬉しかったですが、全ては担当の助産師さんが的確に対応してくださったからです。助産師さんとの相性もすごくよかったんだろーなって思っています。本当にありがとうございました。私は看護師にはなれたけど、助産師には絶対なれないと思っています。

 

会陰切開はしないと聞いていたので、ひどい会陰裂傷になることを恐れていましたが、2.3ナートくらいで済みました。よかった。この時に女医さんが現れただけで、あとはずっと助産師さんが対応してくれました。大きい病院なんですよ!日本だと医師もお産中にいるイメージだったので、ちょっと驚ました。

 

リカバリールームで1時間ちょっと過ごして病室に戻りました。コロナなんで夫の面会はリカバリールームで終わりでした。

 

そして、その夜から始まる母子同室。。。。。

産後ハイってやつで全然寝れませんでした。

でも、赤ちゃんなおむつ交換は助産師さんがしてくれました。

 

◯産後1日目◯

赤ちゃんの診察ありました。

夫は毎日15〜19時で面会できました。

産後ハイが続いているのかよくわかりませんが、赤ちゃんが死んじゃわないかってとにかく心配で全然寝れなかったんです。なぜなのか。。。

後陣痛に対してはお薬もらえました。

そして、母乳が全然でません。

 

3時間毎に必ず15分ずつ左右のパイを吸わせること、その後にミルクをあげる、そして搾乳器を15分かけるってのを夜中もずっとやりました。しかも、毎回助産師さんが付き添ってくれました。夜勤なのにお手数かけてすみません。本当に感謝してます。

 

 

◯2日目◯

今日はエコーを使って赤ちゃんの診察をしてもらいました。

赤ちゃんがパイを吸ってる途中に寝ちゃうので、起こそうとしますが、なかなか寝ています。

黒い胎便が出ることは知っていたんですが、赤っぽい尿が出ることはしらなかったので、ちょっと焦りながら助産師にコールすると「それ普通だから、大丈夫よー!」と言って見に来てもくれませんでした。笑

ちなみに普通のナースコールもあるんですが、それはどちらかというと緊急用でそれぞれベットサイドに電話の子機が用意されているので、それで助産師さんに連絡します。

この日もとにかく赤ちゃんが死んじゃうんじゃないかと心配で1時間くらいしか寝れてなかった気がします。

で、明日もう退院していいそうです。

 

 

◯産後3日目〇

何時に退院とは決まっていないそうで、昼食後ならいつでもいいとのこと。日本だと大体10時までに~とかってなってますよね。

今日も赤ちゃんの診察がありました。今まで出会った小児科の先生は一人を除いてみんな女医さんでした。オーストリアでは小児科が女医さんの中で人気の診療科なんでしょうか?

そして、赤ちゃんの全身チェックをしていただいた後に

その女医さんが「赤ちゃんは全部Okです。問題ありません。“かわいい赤ちゃん”っていうのがこの子の診断名です♡

って言っていただいただき、もう思わずこっちが「先生(医師)好き(⑉°з°)-♡♡」となりましたね。笑

 

夫が迎えに来てくれて遂に退院となるんですが、お産のときに会陰を縫ってもらってからここまで一度も確認されていないんですけど、一か月半後にもともと通っていた産婦人科にいってみてもらってとのことでした。ま、全然痛くないのでいいんですが、、、

 

退院後はなんかもう感情がおさまらなくて、帰りの車から涙が止まらないし、家について赤ちゃんをベビーベッドに寝かせたのをみたら、号泣してしまいました。笑

ここでは触れていませんでしたが、妊娠中はずーーーーーーっとつわりが続いていて、臨月でもはいてました。なので、無事に生まれてきてくれたことが本当にうれしくてたまりませんでした。(生まれたら生まれたで、今度は心配で寝れない日が続くんですけどね。)

 

ドイツ語なんてほぼほぼしゃべれないのに、病院の方々は本当にみんな優しくて、普通に英語で話してくれるんです。申し訳ない気持ちと情けない気持ちととにかく感謝でいっぱいでした。

 

 

これは衝撃的だったいつかの夕ご飯です。これはスポンジかな?

日本でお産後に出してもらえる、お祝い御膳とまでは言いませんが、さすがにこれは。。。文句じゃないです。これはネタとしてもっています。笑

ポレンタというコーン粉を固めたものらしいです。と、ホットミルクでした。

味は何もしなくて、この日は持ち込みのパンなどを食べました。

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これは搾乳機です。
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これはパイがでないので入院中はミルクをもらっていました。

使いまわすと思っていたので、何個も空ボトルをとっておいたのに、使い捨てだったんです。どおりで助産師さんが持って行ってくれないわけだ。笑
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ながながつらつらだらだらと書いてしまいましたが、ここで終わりにします。

ずいぶん経ってしまったので、いろいろ忘れてしまっているかと思ったのですが、書いてるうちにまた思い出して、なんだか幸せな気持ちになりました。

赤ちゃんは2800グラムで、日本だと普通の大きさかと思うですが、オーストリアでは4000グラムは普通に超えてくるみたいなので、みんなに小さい小さいと言われていましたが、最近では大きい大きいと言われるくらいすくすくと育ってくれています。

 

ブログもなかなか更新できていませんが、書きたいことはたまっているので時間を見つけて書いていけたらなーと思います。